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Diary

2010年3月

兵共が夢の跡

第八回公演、無事全日程を終了致しました。

脚本・演出・小野馬役を務めました齋藤でございます。

当日は生憎の雨や、チリ地震の影響からの大幅な交通機関の乱れにも関わらず、多くのお客様がご来場下さいました。
誠にありがとうございます。
見に来て下さるお客様がいなければ、私共の奮闘など全て無意味なものになってしまうことを思うと、
ご来場くださる皆様にいつもいつも本当に感謝しております

さてさて、今回の「一夜蝶」。
いかがでしたでしょうか。
当劇団としてもたくさんの「初めて」がありました。
初の時代劇
初の二幕構成
初の完全オリジナル衣装
まだまだ他にもたくさんの「初めて」がありました。
手探りで進む怖さ、不安、またそれを越える面白さを感じることが出来ました。やはり守りに入らずガンガン攻めるべしだなと、改めて思った次第でございます。

今回いつにも増して本番中の「ライブ感」が凄かったです。
舞台裏では、
キャストのスタンバイ、衣装の早替え、小道具・大道具の修繕、音響・照明との連携、休憩時間の客席の整理等々・・・
幸いなことに沢山のハプニングに見舞われ(笑)本当に団員全員が常にフル稼働している状態で正に総力戦の様相を呈していました。
それだけに終ったときは皆で一つの戦いを生き抜いたような
不思議な連帯感を感じることが出来ました。
本当に自分一人では何もできないなと。
そして沢山の人間が自分に出来る精一杯をやり、その一つ一つが集まって大きな作品が生まれる、その過程の美しさに、改めて舞台の力・魅力を感じました。

その甲斐もあってか、お客様にもたくさんのうれしいお言葉をいただくことができました。
「常に過去最高の作品を作ること」
「初めて舞台を見た人が、面白かったと言ってくれること」
この二点はいつも守っていきたいなと思っております。

さてさて、これからのことですが。
まずはいつもの通り、後片付けをし、一旦は休息です。
各自が自分の整理を付け、
またその先に見るものが重なったなら、
その時は次の「おもしろいこと」に向ってノロノロと歩き出すのかなと思います。
何度も嵐に襲われて、沈没しそうになりながらも、
それでもしぶとく笑いつつ航海を続ける船が、次はどこに迷い込むのか、嵐が止んで凪が訪れているこのつかの間に、少し思いを馳せてみようかと思います。いつかどこかでお客様と邂逅する時を祈りつつ。

また劇場で同じ夢が見られる日まで、
お互い何となく生きながら。
それでは、また。

そうそう、
おまけと言ってはなんですが、登場人物の役名由来を
ご紹介させていただきます。
今回は蝶をモチーフに致しました。
お時間ございましたらご覧下さいませ。

河上慎蔵
「カワカミシロチョウ」
風に乗って本来の生息地から外れた蝶、「迷蝶」の一種。
迷いに生き、逃れようとして深みに落ちる。
蟲の哀れさが出せればと思いました。
加えて、カワカミ→幕末四大人斬りの三人、
河上彦斎→田中新兵衛、岡田以蔵
から取りました。中村半次郎は失格(笑)
僕は岡田以蔵が大好きなので、入れたかったってのもあります。

るり
「ルリタテハ」
清楚で透明感のある響きが不可欠だと思っていたので、
言い辛さを押さえての採用となりました。
役者諸君の活舌訓練にもなったのではと(笑)
もし彼女がもっと器用であれば、蟲はまた別の人生を歩んだろうと思います。

浦木虎之助
「ウラキシジミ」+「トラフシジミ」
“トラ”ってふうに、愛称で呼べるキャラにしたかったんです。
「普通の人」の限界を超えられないまま、小野馬と出会ってしまったことが、彼のその後を決めてしまったのだと思います。

浅間一文字
「アサマイチモンジ」
そのまんま(笑)。
まっすぐな彼の性格にぴったりだと思います。
迷いのない正義は暴力を超えないのだなと、
彼の変化を見ていて思いました。

石垣弾十郎
「イシガキチョウ」
名前の弾十郎はイメージです。
それにしても、全ての要素を包括した「オイシイ」役だと思います。

お杉
「スギタニルリシジミ」
図鑑を見ていて、「ルリタテハ」の隣に載っていたんです。
るりを支える彼女のイメージに合っていたのでいただきました。

坂八
「サカハチチョウ」
気風のいい江戸商人ぽい語感が気に入ってつけました。
稽古場での愛称は「ぱっつぁん」
ちなみに、二役の貞山は「ジョウザンミドリシジミ」から。
時代劇っぽいからという理由です(笑)

お宮
「ミヤマモンキチョウ」
温かい色合いが彼女の人柄に繋がる気がしていただきました。
脇役としてひとつの理想系ではないかと
自画自賛しています。


「ツバメシジミ」
行動的でどこか凛としたイメージがほしかったので、ここからいただきました。
稽古場での愛称は「バーツー」。業界か!

麻葵
「ヒメアサギマダラ」
カワカミシロチョウと同じく、「迷蝶」の一種。
蟲との表裏の関係を表せられればと。
品を漂わせつつも、悩み、苦しみ、道を外れていく彼女に重ねてつけました。

小野馬
「クロコノマチョウ」
不規則な飛び方、蛾を思わせる色、シンプルな外見。彼のある種の純粋さが表れている気がしてつけました。
蝶を夢見た慎蔵に対し、蛾を突き進むことを選んだ小野馬。本当の強さはどちらなのか、僕には未だにわかりません。

長々お付き合いくださり、ありがとうございました。

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