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Diary

2008年7月

遺伝子の名前

ダイアリーをご覧の皆さん、こんにちは!
第6回公演では風間駿役を演じました、貝塚です。いやーあれから早4か月がたちましたね。だんだん暑い日が多くなり、夏の訪れが感じられるこの頃ですが、皆さんはいかがお過ごしですか?

私はといいますと、現在は生命科学を専攻する大学院修士1年生です。講義と実験に明け暮れる毎日で、1日平均15時間ほど大学にいます。肉体的にはなかなかハードですが、自分の手で科学の研究を進めているという実感があり、とても充実しています。

今日は生命科学に関連した話題として、「遺伝子の名前」というテーマでちょっと小話をしてみましょう☆
文系の方の中には遺伝子なんていう単語を聞くだけでジンマシンが出る人もいるかもしれませんが、まあそう固くならずに気楽に聞いてください。

遺伝子というのは、大ざっぱにいうと生き物の設計図です。もうちょっと細かくいうと、生き物の体を構成する小さい部品(=タンパク質)の設計図です。
私たちの身の周りにいるような生き物はだいたいどれも数千~数万種類の遺伝子を持っています。
ではその個々の遺伝子の名前は、一体誰がどのようにしてつけているのでしょうか?

これは基本的に、その遺伝子の機能を初めて発見した人が自由につけて良いことになっています。だからといって完全に好き勝手につけていいわけではなく、ちゃんとその名前をみて、その遺伝子がどんなものなのかが分かるようでなければいけません。
よくあるのは「その遺伝子に異常が起こるとどうなるか」という観点からの命名です。

例えば遺伝の研究によく使われているショウジョウバエというハエを見てみましょう。
ショウジョウバエには「white」という名前の遺伝子があります。
この遺伝子に異常があるハエは、目の色が白くなってしまいます。(通常は赤)そういうわけで「白」という意味の「white」という名前がこの遺伝子につけられました。
これはわかりやすいですね。
ではこれはどうでしょう。

「satori」

…さとり…悟り?
そうです。実はこの遺伝子に異常が起こると、ハエは異性に興味をなくしてしまうのです。そういうわけで「悟り」と命名されました。
それではこれはどうでしょうか。

「musashi」

これは異常によって体表の毛穴1つ1つから2本ずつの毛が出てしまう、という遺伝子です。どうやら宮本武蔵が二刀流だったことによるようです。

他にも調べてみたところ、遺伝子異常によって卵がオクラみたいな形になってしまうので「okra」なんてのもありました。なかなかユニークなものが多いですね。

先日、とあるセミナーでメダカの発生についての講演を聞く機会があったのですが、メダカという生き物は、日本以外ではほとんど研究がされていないようです。
そういったわけで、発見された遺伝子にはすごい勢いで和名が使われています。

例えばその遺伝子に異常が起こると、肝臓がどこかへいってしまったように見えるので「kakurenbo」(かくれんぼ)
体が平べったくなってしまうので「hirame」(ヒラメ)
体のパーツの配置がぐちゃぐちゃになってしまうので「fukuwarai」(福笑い)
…などなど。

他にも「kamifusen」(紙風船)、「dendendaiko」 (でんでん太鼓)「kendama」(ケン玉)「ukon」(ウコン)なんてのがありました。なんだかやりたい放題ですね(笑)
これはウソのような話ですが本当です。ちゃんと論文も出ていました(Watanabe T et al. Mechanisms of development 2004)。

わざと変わった例ばかりをあげましたが、このように遺伝子の名前にはいろいろなものがあります。
ヒトの遺伝子は約3万個あるといわれていますが、その半分近くはまだ機能がわかっていない遺伝子で、名前もついていません。
私もいつか、1個くらいは未知の遺伝子の機能を発見して、名前をつけてみたいなあなどど思っている次第です(笑)

マニアックな話を長々と失礼しました。。。
それでは、またお会いしましょう☆

貝塚 剛志

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