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Diary

温かい歩道・冷たい獣道

第十回公演、ご来場下さった皆様、誠にありがとうございます。
脚本・演出の齋藤です。
初めての会場で慣れないことだらけでしたが、当日は受付のスタッフが頑張ってくれたようで、
大きな混乱もなくまずは良かったなと思っております。

さてさて今回の「owl in a blue moon」。
いかがでしたでしょうか。

今年度は久々の年二回公演を行う予定なのですが、その第一弾としてお送りしました。
そもそも年二回やろうと思った理由としては、
「現状維持・拡大再生産はしない」
というのが僕の考えとしてあったというのが大きなところです。

どうにかこうにか10回目を迎えた当劇団ですが、
これまでの公演で僕がやろうと思っていたことは、
「peterpanらしさ」を創ることでした。
「peterpanといえばこれ、peterpanを見に行けばこういうものが待っている、魅力はこんなところ・・」
そういうものを創るためのこれまででした。10回までにそれを創ろうと。

そして前回「星の音がきこえる」までで、ある程度その目標は達成できたのではないかなと思い至りました。
団員・お客様のイメージする、期待するpeterpanは形になった。
そしてこれからはそれを裏切っていく道をこさえなければなと思っています。
そのために必要なのが公演回数の増加でした。
年一回では、やはり思い切った手は打ち辛く、「peterpanらしさ」に応えていくだけで精一杯だと感じたのです。
そしてそれはたやすく
仲間内では「いつもの感じで」
お客様には「これやると喜ばれるんだよ」
に変わっていきます。
ひとつの武器を磨き続けることが無意味だとは思いませんが、僕は「選択肢のある劇団」でいたいと思うのです。
似たタイプの作品しか上演しない団体では、それを好まない人との出会いは起こり得ないし、
自分ではそう思ってなかったけど意外にこういうタイプも面白いね、と思ってもらえる機会もまた同様に起こり得ません。

もちろんこれは諸刃の剣であって、「こんな感じになっちゃったのか、もういいや」「自分の好きな作風じゃなくなっちゃった」と
そっぽを向かれる可能性は大いにあります。
でも、僕がしたいのは「捨てる」ことではなく「増やす」ことです。
これまで過去9回で作ってきた「peterpanらしさ」を捨てるのではなく、
また新たな「peterpanらしさver2」を産み出していくこと。
結果、お客様がそれを取捨選択できる環境、それを整備したいと思っています。
今回は○○なタイプ。次回は××なタイプですよと。
「ああそれなら今回はいいや。その代わり次回は見に行こうかな」
「そうか、じゃあ今まで見たことないテイストだけど今回は見てみようか」
と、色んな出会いの可能性を創っていくこと、それをこれからの目標にしたいと思っています。
それが公演回数増加の対外的な理由です。

それとは別に、対内的な理由は、
一つは同じようにマンネリを避け、新たな力を付けること。
もう一つは劇団を団体として純化したいということでした。

ウチは基本的に誰でも入れます。関わり方も自由です。
僕の演出方針が「上手い必要はない。そいつ自身に魅力さえあれば」というものなので、
スタッフワークに外部プロダクションを入れるわけでもないし、
キャストだって誰でも簡単に出来ます。選出もしないですし、稽古もメチャクチャ楽です。

ただ、今まではそれだけで良かったのですが、10回ともなると状況は変わります。
社会人も増え、世代が別れれば独自のコミュニケーションも必要になり、その割に顔を合わせる機会は減るばかり。
稽古や制作に割ける時間は減る、しかし作るべきもののレベル、自身の理想は高まる一方・・・
そういう状況はやっぱり過酷なんですよね。

今までのように、ゆったりぬるま湯に浸かっていても湯上りには爽快にコーヒー牛乳が飲める、しかも身銭を切らずとも人の金で、というわけにはいかなくなってきました。

早い話が「乗るか反るか」になってきちゃったんです。
何かを得たいなら、それなりの対価を支払わなければならない。無傷で誰かに守ってもらいながら、それでも最後にはおいしい食事にありつける・・
ということにはならなくなってしまったなと。

何かを一生懸命やるのは大変です。誰だって傷つきたくはないですし。責任なんて背負いたかないです。リングに上がらず野次っている方がよっぽどいい。
その点では創作活動なんてのは地獄だと思います。足を洗えるなら(そのレベルの気持ちであるなら)洗える時に洗った方が幸せだとすら思います。
年齢や結婚、仕事、学業、家の都合、他の選択肢・・・
色んなことが誘惑を強める時期だからこそ、このタイミングでもう一度選び直すきっかけが必要だと思いました。
過酷さ、苦しさ、諸々のしんどい面を見て、その上で自分がどうするのかを考えるべきなのではないかなと。
それを経た上であれば、ある意味節操なしとも言えるウチの体制は実に理想的に機能するだろうと思ったのです。
離別という悲しい道を取らずとも、その各人の選択を全て受け入れる土俵があるということなのですから。

年一回、ゆったりとやっていれば、平穏に進むのかもしれません。
でもそれはいずれ必ず終わります。人はいつまでもぬるま湯には入っていられませんし、人の熱など所詮いずれ覚めるものです。
ゆっくりと滅んでいくのか、傷を抱えてでも進むのか。
その答えを探すためにも、公演回数を増やして突き進むことにしました。

これがまぁしんどいしんどい(笑)
でも自分自身に問いかけて、試す意味でも良かったと思っています。
次回、三月の公演で、言葉ではなく舞台の上で、その答えをお見せできればと思います。
どこか頭の片隅に、次回公演のことをしまっておいて頂けたなら幸いです。
どうぞご期待下さい。
一生懸命やらしていただきます。

どーなることやら!

コメント

    えすえいちおー より:

  • 自然も人も常に変化しています。
    その変化に対応できた物だけが、生き残っている、と聞いています。
    現状維持に満足しない事は大事と思います。
    応援します\(^-^)/

    2011年10月25日 6:15 AM

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